○南那須地区広域行政事務組合火災調査規則

昭和61年1月18日

組合規則第4号

南那須地区広域行政事務組合火災調査規則(昭和49年南那須地区広域行政事務組合規則第17号)の全部を改正する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この規則は,消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章の規定により,火災の原因及び火災の拡大した要因並びに火災及び消火のために受けた損害を調査し,火災の予防及び消防施策の改善に資することを目的とする。

(調査員)

第2条 火災調査員(以下「調査員」という。)は,予防課調査係員及び特に消防長より命を受けたものがこれに当たるものとする。

第2章 調査員の心得

(常時の心得)

第3条 調査員は,関係法令,火災に関する諸事象等を常に研究し,有事に備え調査技術の改善向上に努めなければならない。

(災害時の心得)

第4条 調査員は,調査に当たり次の事項を遵守し又は留意しなければならない。

(1) 調査員は,相互に連絡協調し,調査全般の進展を期するとともに,原因探究に当たつては,不屈の精神をもつてのぞみ冷静,周密な調査を行わなければならない。

(2) 調査員は,適正公平を旨とし,強制に亘る手段を避け穏健妥当な方法により関係者及び一般住民の協力を得るよう努めなければならない。

(3) 調査に当たつては,事実の確認を主眼とし,先入観念ないしは独断に陥ることなく科学的な方法と合理的な判断とにより事実の立証に努めなければならない。

(4) 調査のため,関係のある場所に立入る場合は,一般立入検査の心得をもつてこれに当たり,特に必要な場合のほか,関係者の立合いのうえ行わなければならない。

(5) 調査員は,警察の捜査員と緊密な連絡を保持し調査に当たることとし,実況見聞は警察と協議し共同してこれを行うものとすること。

(機密の保持)

第5条 調査員は調査に当たり,関係者の人権と名誉を尊重し,調査によつて知り得た事項をみだりに他に漏らしてはならない。

(民事不介入)

第6条 調査員は,その職務上において,個人の民事的紛争に関与してはならない。

第3章 調査

(調査員の派遣)

第7条 消防長は,管内に火災が発生した場合は,ただちに所要の調査員を現場に派遣するものとする。

(資料の収集)

第8条 火災現場に赴いた調査員は,現場到着時の火災状況,燃焼の推移を詳細に見分するとともに,関係者及び現場附近の者について必要な情報及び資料を収集しなければならない。

(報告)

第9条 先着警防隊の指揮者は,現場到着時における燃焼個所,火災の状況,その他原因調査上参考となる事項を調査員に連絡するとともに,すみやかに消防長に報告しなければならない。

(現場保全)

第10条 火災現場にあるすべての消防職員は,この規則並びに南那須地区広域行政事務組合消防署警防規程(昭和61年南那須地区広域行政事務組合規程第1号)に基づき,確実な火災現場の保全が行われるよう努めなければならない。

第11条 消防長は,出火個所,燃焼過程等原因判定上重要な個所を決定し,調査に支障の生じないよう保全しなければならない。

第12条 前条の目的を達成するため必要があるときは現場保存区域を定め必要に応じ,監視員を置き,調査員が現場の調査を開始するまで関係者であつても,みだりに区域内に出入りさせてはならない。

2 調査員又は監視員は,やむを得ない事由のため現状を変更する必要があるときは,変更に先だち記録,写真,見取図等によりその状況を明らかにしておくものとする。

(鎮火後の調査)

第13条 調査員は,鎮火後の現場その他関係ある場所及び物について綿密詳細に実況見分を行い,調査資料の発見入手に努めなければならない。

第14条 実況見分を行うに当たつては,関係者の説明を求め,次の事項について調査しなければならない。

(1) 火災前の被災物件の状態,火気使用設備,その他出火源となる可能性のあるものの使用管理の状況

(2) 焼き物件全般の焼き状況及び特異の焼き状況

(3) 延焼火災にあつては,その原因,拡大の要因

(4) 焼損物件の数量,損害の程度

(5) その他必要と認める事項

2 前項の実況見分に当たつては,見分の内容を明らかにするために必要な写真撮影,図面の作成をしなければならない。

3 調査員は,第1項の実況見分をしたときは,実況見分調書(様式第1号)により,そのてん末を記載しておかなければならない。

4 実況見分に際し,立合人に説明を求めた場合で,必要と認める事項はその内容を実況見分調書に記載することができる。

5 実況見分調書作成に当たつては,写真,図面及び証拠品を添付し必要な説明を付さなければならない。この場合,撮影年月日時分及び撮影者の職,氏名をも合わせ記入しておかなければならない。

(質問)

第15条 調査員は,質問に当たり,被質問者から任意に真実の供述を得るように努め,自己の期待し又は希望する供述を得るため,相手方に暗示し又は供述の誘導をしてはならない。

2 前項の質問に当たつては,被質問者の冷静,かつ,正確なる供述を得るよう時期,場所その他の事情を勘案し,被質問者に迷惑をかけないよう心がけなければならない。

3 質問は,直接経験した事実の供述を得るように努め,被質問者の伝聞にわたる供述で,重要な事項に係るものは,その事実を直接経験した者にさらに質問しなければならない。

4 質問に当たつては特に矛盾又は変化に注意し,これを端緒としてさらに質問を行うよう努めなければならない。

(質問調書)

第16条 質問により得た供述のうち原因判定上必要と認める事項については,質問調書(様式第2号)を作成しなければならない。

2 前項の質問調書を作成した場合で特に必要がある場合は,被質問者に読み聞かせ又は閲覧し,誤りなきことを確かめた後署名押印を求めなければならない。ただし,これを拒んだ場合は,この限りでない。

(年少者の特例)

第17条 年少者に関する調査に当たつては,将来を考慮し温情と理解をもつてこれに当たり,質問に当たつては,必ず立合人をおいて行い,また調査書類に年少者の署名押印を求めてはならない。

(照会)

第18条 調査上関係のある官公署に対し,必要事項を照会する場合は,火災調査関係事項照会書(様式第3号)により行わなければならない。

(資料の提出)

第19条 調査に当たつて,火災原因判定上必要と認められる資料の提出を求めるときは,資料提出命令書(様式第4号)によつて行わなければならない。ただし,関係者から任意に提出されたときは,この限りでない。

2 前項により提出された資料については,保管書(様式第5号)を関係者に交付しなければならない。ただし,関係者が所有権を放棄したものについては,この限りでない。

3 資料の提出を求めた場合は,その資料の発見された状況その他必要と認める事項を実況見分調書に明細に記載しておかなければならない。

(試験)

第20条 調査員は,提出された資料について試験を行つたときは,その結果を試験結果書(様式第6号)に記載しておかなければならない。

(試験又は鑑定)

第21条 消防長は,収集した資料等について,火災原因判定上試験又は鑑定の必要があるときは,試験(鑑定)依頼書(様式第7号)により関係機関又は学識経験者に依頼することができる。

2 前項により保管書を交付した資料について,試験又は鑑定を依頼する場合は,あらかじめ関係者から試験又は鑑定承諾書(様式第8号)により処分の承諾を得ておかなければならない。

(資料の保全)

第22条 資料の保全に当たつては,綿密慎重を期し,証拠価値をき損しないように努めなければならない。

2 保管書を交付した資料で,保管の必要がなくなつたときは,提出者に対して保管書と引換えにこれを還付しなければならない。

(原因の判定)

第23条 調査員は,実況見分,質問及び資料などにより知り得た事項に基づき,あらゆる可能性について総合検討を加え,火災原因を判定しなければならない。

(原因判定書)

第24条 前条により火災原因を判定したときは,火災原因判定書(様式第9号)を作成しなければならない。

(損害の調査等)

第25条 損害の調査に当たつては,火災報告取扱要領(昭和43年11月11日消防総発第393号。消防庁長官通知)によるものとする。

第26条 被災物件の調査に当たつては,罹災申告書(様式第10号)の提出を求めるとともに関係者に質問して,構造,材質,品名,品質及び数量などについて,これをたださなければならない。

第27条 調査員は,現場を調査した結果により適正な損害額を算定し,火災調査書(様式第11号)に記載し,損害調査書(様式第12号)を作成するものとする。この場合において死傷者がある場合には死傷者調査書(様式第13号)をあわせて作成するものとする。

第4章 調査報告及び書類の作成

(報告)

第28条 調査員は,調査が終了したときは,火災調査報告書(様式第14号)により調査書類及び資料を添えて消防長に報告しなければならない。

(調査書類)

第29条 この規定により作成した調査書類は,次の順序により整理編綴するものとする。

(1) 火災調査報告書

(2) 火災調査書

(3) 火災原因判定書

(4) 実況見分調書

(5) 質問調書

(6) 損害調査書

(7) 罹災申告書

(8) 火災調査関係照会書

(9) 試験結果書

(10) 試験鑑定書

(11) その他この規則に基づく必要書類

(12) その他の参考書類等

(書類の作成)

第30条 調査書類の作成に当たつては,平易簡明な文章を用い事実をありのままかつ明瞭に表現し,誇張,冗長にわたる記述は,これを避けなければならない。

第31条 調査書類には,特に定めのある場合を除き作成年月日,職名を記入して署名押印しなければならない。

2 書類が2枚以上にわたる場合は割印をするものとする。

3 書類を作成する場合は,文字を改変してはならない。文字を削り,又は加えるときは「削除又は加入何字」を文面の上部に記述し,押印するものとする。また訂正個所は明確に2条の線を引き押印しなければならない。

(書類の省略)

第32条 火災規模が建物火災にあつては,部分焼以下又は損害見積額が20万円以下,建物火災を除くその他の火災にあつては,損害見積額20万円以下で次の各号に該当するものは,この規則の定めにかかわらず実況見分調書及び質問調書の作成を省略することができる。ただし,写真撮影,図面の作成,その他の資料の収集を省略することはできない。

(1) 放火又は特異の火災でないもの

(2) 焼死者を伴わない火災であること。

(3) 出火原因の明瞭かつ単純なもの

第5章 雑則

(認定書の送付)

第33条 官公署より調査の結果につき照会を受けたときは,認定書(様式第15号)を送付するものとする。

(準用)

第34条 この規則は,特別の規定あるもののほか,その他の災害についても準用する。

(委任)

第35条 この規則の施行について,必要な事項は,組合長の承認を得て消防長が定める。

附 則

この規則は,公布の日から施行する。

附 則(平成7年組合規則第1号)

この規則は,公布の日から施行し,平成7年1月1日から適用する。

附 則(平成17年組合規則第19号)

この規程は,平成17年10月1日から施行する。

南那須地区広域行政事務組合火災調査規則

昭和61年1月18日 組合規則第4号

体系情報
第8編 消  防/第4章 業  務
沿革情報
昭和61年1月18日 組合規則第4号
平成7年1月27日 組合規則第1号
平成17年9月29日 組合規則第19号