○南那須地区広域行政事務組合消防通信規程実施要綱

昭和62年3月12日

組合訓令第9号

(目的)

第1条 この要綱は,南那須地区広域行政事務組合消防通信規程(昭和62年南那須地区広域行政事務組合訓令第8号。以下「規程」という。)に基づく消防通信の運用について,必要な事項を定め,円滑な通信業務を行うことを目的とする。

(消防通報用電話等の試験)

第2条 規程第6条に定める消防通報用電話の試験は,次により行うものとする。

(1) 消防通報用電話内線の試験は,毎日8時00分から実施するものとする。

(2) 拡声装置の試験は,毎日8時00分から実施するものとする。

(3) 震度4以上の地震を覚知したときは,前号の規定にかかわらず,そのつど通話試験を行うものとする。

(4) 時刻の規正は,毎日9時00分に行うものとする。

2 消防通報用電話回線の試験は,毎日8時30分から9時00分の間に日本電信電話株式会社烏山電報電話局からの連絡により行うものとする。

(消防通報用電話等障害時の処置)

第3条 通信室の通信員は,消防通報用電話及び警察等関係機関への専用回線に障害が生じたときは,応急措置をなすとともに関係機関と密接な連絡をとり,早期復旧につとめるものとする。

(災害の受付)

第4条 規程第7条に定める災害通報及び消防相互応援協定に基づく応援要請を受けたときは,他の通信に優先して処理するものとする。また,災害通報は,様式第1号に記録するものとする。

2 災害通報の受付は,次の事項を聴取しなければならない。

(1) 災害の種別

(2) 住所

(3) 目標

(4) 事故の状況等

(5) 通報者氏名及び電話番号

3 応援要請を受けたときは,次の事項を聴取しなければならない。

(1) 災害の概況

(2) 派遣する場所

(3) 派遣車両等の種別及び台数等

(4) 誘導員の有無

(5) 発信者の職氏名

(出場指令)

第5条 通信室の通信員は,前条の通報を受理したときは,次の要領により課署等に対し,消防隊又は救急隊等の出場を指令するものとする。

(1) 出場信号

(2) 出場放送(火災出場指令)

 出火報[火災区分]目標○○(2回繰返し)以上

◎火災区分は,建物(住宅,倉庫,納屋,物置),林野,車両等火災とする。

 消防隊の増強を指令する場合

第2出場炎上火災目標○○(2回繰返し)以上

 特に消防隊等を指定して指令する場合

[事故区分]出場目標○○内容○○(2回繰返し)以上

◎事故区分は,応援,救助,警戒,調査,水防等とする。

 サイレン信号

火災のサイレン出場信号は,約5秒吹鳴,約6秒休止5回とする。

(3) 出場放送(救急出場指令)

救急出場[事故区分]目標○○傷病者数○名(2回繰返し)以上

◎事故区分は,火災,自然災害,水難,交通,労働災害,運動競技,一般負傷,加害,自損行為,急病,その他とする。

2 応援要請を受けたときは,消防長の指示により別に定められた消防相互応援協定の定めるところにより,前項第2号ウに準じて出動を指令するものとする。

3 課署等の通信員は,通信室から前2項による指令があつたときは,直ちに指令内容を放送又は口頭によりすみやかに職員に伝達しなければならない。

(境界付近の出場)

第6条 災害通報が南那須地区広域行政事務組合消防本部管内の境界付近で行政区域が判明しないときは,管内とみなして出場を指令するとともに隣接消防機関と密接な連絡をとるものとする。

(災害情報収集及び伝達)

第7条 通信室の通信員は,災害に出場した消防隊又は救急隊等からの災害情報を積極的に収集して,必要な措置をとるとともに関係機関に伝達しなければならない。

(現場速報)

第8条 災害現場に出場した指揮者は,災害の概況,消防隊又は救急隊等の増強の要否,その他必要事項を通信室に速報しなければならない。

(警防情報の収集及び伝達)

第9条 通信室の通信員は,警察,ガス会社,電力会社,医療機関等の関係機関と連絡を密にし警防に関する情報の収集につとめ,必要な情報は課署等及び関係機関に伝達しなければならない。

(車両運用及び連絡)

第10条 課署等の通信員は,消防隊又は救急隊等が出場又は帰署したときは,そのつど通信室に連絡するものとする。

2 通信室の通信員は,前項の状況を把握し,災害時における消防隊又は救急隊等の的確な運用につとめなければならない。

(救急医療情報の活用)

第11条 通信室の通信員は,毎日9時30分に救急医療情報システムから医療機関の収容可否の状況を収集し,課署等に伝達しなければならない。

(テレホン情報システム装置)

第12条 消防通信事務の省力化を図るため,テレホン情報システム装置(テレホン・サービス)を活用して災害の情報等を地域住民に提供するものとする。

(録音装置の活用)

第13条 通信室の通信員は,消防通報用電話による災害通報の受付に際し,録音装置を活用し受付事務の効率化につとめなければならない。

2 前項の録音テープは,一定期間保存しなければならない。また,次の事項は参考資料として記録しておくものとする。

(1) 火災は,第1報のほか遂次通報があつたときは第3報まで。

(2) 救急事故は,特異な事故で多人数の死傷者が発生した事故,犯罪事故等のもの。

(3) 前2号以外について疑義が生じたときは,警防課長の指示を受けて保存扱いとなつたもの。

(無線サイレン等の活用)

第14条 災害の発生時における消防団員の招集又は災害情報の伝達その他必要があるときは,無線サイレン及び受令機を有効に活用するものとする。

(無線局運用の原則)

第15条 無線局を運用する場合は,次の事項を守らなければならない。

(1) 無線局は,最良の状態に調整し,他局が交信中でないことを確めてから発信すること。

(2) 移動局は,基地局から発信停止の指示があつたときは,直ちに発信を中止すること。

(3) 移動局は,基地局の指示がない限り,あらかじめ指定してある周波数を変えて発信してはならない。

(無線統制)

第16条 規程第5条に定める無線統制は,次により行うものとする。

統制区分

状況

統制内容

第1無線統制

火災等の災害出場時に無線通信が混信し,また,混信が予想される場合

通信室と現場本部及び現場最高指揮者又は,通信室の指定する移動局の通信以外は行わないものとする。

第2無線統制

第3出場以上又は災害が同時多発した場合

通信室と現場本部の通信以外は行わないものとする。

2 前項により無線統制された場合であつても,緊急時又は応答を求められた場合は,この限りでない。

3 現場最高指揮者は,業務に応じて通信室に対し無線統制を要請することができる。

(難聴時の処置)

第17条 各移動局は,地形建物等によつて難聴が予想されるときは,通信位置を考慮して送受信しなければならない。

(通話試験)

第18条 規程第16条に定める基地局と移動局の通話試験は,次により行うものとする。

(1) 通話試験は,毎日8時00分から行うものとする。

(2) 各移動局は,前号の試験を行う場合開局し,受信可能な状態にしておくものとする。

(3) 第1号の試験時刻を変更するときは,基地局からその旨を指示するものとする。

(試験電波の発射)

第19条 規程第17条に定める無線機器の試験又は調整のため試験電波の発射は,次により行うものとする。

(1) 基地局と移動局間は,必要があるつど発射することができる。

(2) 移動局相互間は,基地局の承認を得てから発射する。

(3) 基地局から受令機への発射は,必要に応じ発射することができる。また,移動局から受令機へ発射する場合は,基地局の承認を得てから発射するものとする。

(無線通話要領)

第20条 無線による通話要領は,別表によるものとする。

(防災行政無線の運用)

第21条 栃木県防災行政無線の固定局は,栃木県防災行政無線設置管理運用要綱(昭和55年12月19日制定)に基づき運用するものとする。

(管理責任者の業務)

第22条 規程第21条に定める管理責任者の主な業務は,次のとおりとする。

(1) 通信施設の計画,配置,整備保全,維持管理

(2) 通信員の研修

(3) 法的手続きに関する事務

(通信取扱責任者及び所属責任者の業務)

第23条 規程第22条及び第23条に定める通信取扱責任者及び所属責任者の主な業務は,次のとおりとする。

(1) 通信施設の管理運用業務

(2) 通信員の確保,点検及び訓練

(3) 通信及び障害の監視

(4) 通信関係書類の管理

(5) その他消防長の必要と認めた事項

(通信機器の損傷及び紛失)

第24条 所属長は,通信機器を損傷又は紛失したときは,様式第2号により警防課長に報告しなければならない。

(通信施設の検査)

第25条 規程第26条に定める通信施設の検査区分は,次のとおりとする。

検査区分

検査回数

検査対象

日常検査

毎日1回以上

通信設備

定期検査

毎月1回以上

電話設備

年2回以上

無線設備(無線サイレン,受令機を含む。)

特別検査

検査の必要を認めたそのつど実施

電話設備,無線設備,その他消防通信に関する設備で警防課長が指示するもの

(訓練の実施)

第26条 警防課長及び所属長は,必要に応じて通信訓練を実施するものとする。

(簿冊)

第27条 規程第28条に定める消防通信に必要な簿冊は,次のとおりとする。

(1) 無線業務日誌 (様式第3号)

(2) 無線従事者選(解)任台帳 (様式第4号)

(委任)

第28条 この要綱に定めるもののほか,消防通信の運用について必要な事項は,そのつど警防課長が指示するものとする。

附 則

この要綱は,昭和62年4月1日から施行する。

附 則(平成17年組合訓令第25号)

この要綱は,平成17年10月1日から施行する。

別表(第20条関係)

無線通話要領

1 無線通話の運用に関する留意事項

区分

留意事項

一般的事項

1 各移動局は,所属署,所から出動又は出向するときは,無線機を適切に操作,調整し,常に最良の感度に維持して,他局からの送信に対して即応できるようにつとめること。

2 通信統制等の全般的な統括は,基地局がこれを行い,移動局はすべて基地局の指示に基づいて運用すること。

3 無線通話は,原則として,基地局と移動局(携帯移動局を含む。)相互間で行い,移動局間の交信は行わないものとする。ただし,特に必要があるときは,基地局の了解を得るか,又は,災害現場で各分隊間の連絡はどうするか,基地局に中継を依頼して行うものとする。

4 呼び出しにより相手局が応答したときは,再び自局名をいわないで直ちに要件を送信すること。

なお,送信中自局名及び他局名を冠するときは,「こちらは」,「そちらは」の用語を用いて送信し,通信時間の短縮につとめること。

火災及び災害状況の通報

1 各移動局は,出動途上及び現場到着時の災害状況を,後着先着にかかわらず,すみやかに基地局へ送信すること。

2 火災の推移については,災害現場最高指揮者がこれを把握し,基地局に送信すること。

3 災害の詳細についての無線送信は,災害現場を調査する担当者が迅速に送信すること。

4 無線局間で交信中,他の無線局が緊急通話を行う場合は,「至急通信」と言つて交信の中断を待ち,緊急通信を行う。

至急通信を受信した他の全無線局は,至急通信が終るまで,交信を中止すること。なお,至急通信は,平常時においても,緊急事態が発生した場合にも準用する。

定時試験通信

毎日業務に支障のない限り各波(消防波,救急波)毎に基地局から移動局に対し定時試験通信を表2通信連絡の設定により行うものとする。なお,運用に当つては,次の事項を厳守すること。

(1) 電波関係法令及び本要綱の厳守

(2) 混信の防止

(3) 送信間隔の適正化(約20秒程度ごとに適宜送話を切り聴話すること。)

通話要領

通信用語は,できる限り簡素にし,次の各号を参考にして,無線通信を効率的に運用されるようつとめること。

(1) 用語の省略

交信内容のうち省略可能な用語(接続詞,助詞等)については,これを省略し,簡易短文化を図ること。

○例

(「火災の状況を報告します」を「火災状況報告」)

(「状況をお願いします」を「状況を送れ」)

(2) 送話速度

送話の速度は,通常の会話における速度を標準とする。ただし,送話内容又は相手局の受信状態により適宜調整すること。

(3) 通話時間の制約

通話が20秒以上にわたるときは,緊急割込等を容易にするため,約20秒以内ごとに2~3秒間,電波の発射を中止すること。

(4) 難解な字句等の説明

通話内容のうち,人名,地名,数字及び難解な句については,必要部分の重送若しくは漢字説明又は異なつた表現を用いる等,相手局の受信を容易にするようにつとめること。

(5) 返信を求める用語

相手局に返信を求めるときは,通話の次に「どうぞ」1回を付すこと。

(6) 災害の交信は,つとめて消防用語を使用し,火災,緊急等の業務中,周囲の事情から判断して,略符号を使用することが必要な場合には,表3,火災,救急略符号によりこれを行う。

2 通信連絡の設定

区分

通信方法

留意事項

呼出し

普通通話

1 自局の呼出し名称 1回

2 「から」 1回

3 相手局の呼出し名称(又は「各局」) 1回

1 呼出し前の注意

呼出しは,他の通信に混信を与えないことを確かめてから行うこと。

他局が交信中のときは,その通信が終了してから行うこと。

2 至急通話の優先取扱い。

(1) 割込通話

至急通話は,普通通話中に割り込んで行うことができる。ただし,電波の切れ目に割り込まなければならない。

(2) 普通通話の中止

緊急割込を聴取した普通通話中の無線局は,直ちに通話を中止すること。

至急通話

1 「至急」 3回以下

2 自局の呼出し名称 1回

3 「から」 1回

4 相手局の呼出し名称(又は「各局」) 1回

再呼出し

呼出しを行つても相手局の応答がないときは,10秒以上の間隔をおいて,さらに2回呼出しを行う。ただし,再呼出しを行つても,なお応答がないときは,1分以上経過しなければ呼出しを行つてはならない。

応答

基地局

1 呼出し局の呼出し名称 1回

2 「どうぞ」(又は,しばらく待て) 1回

1 聴取の励行

無線局運用中は,聴取を励行して,応答の遅延,受信もれのないようにすること。

2 2局以上の呼出しで解信を必要とするときは,通話後送信局が順次受信局の局名を呼び,受信局は「了解」のみ応答する。ただし,不明のため再送を求める場合は,再送要求の要領によること。

3 呼出し局の呼出し名称が不確実な場合は,自局が呼出されていることが確実になるまで応答しないこと。

移動局

1 自局の呼出し名称 1回

2 「です」 1回

3 「どうぞ」 1回

呼出し局の呼出し名称が不確実な場合

1 自局の呼出し名称 1回

2 「です」 1回

3 「局名をどうぞ」 1回

解信

1 自局の呼出し名称 1回

2 「了解」 1回

1 2局以上に対する通話の解信は,応答の場合に同じ。

2 通話にそごを生ずるおそれのない場合は,自局を省略し「了解」のみでもよい。

再送及び重送要求

全部又は大部分不明

1 「かさねて」 1回

2 「どうぞ」 1回

一部不明の場合の再送要求は,「氏名のみどうぞ」又は「番地のみどうぞ」等適宜簡潔な語句を用いること。

一部不明

1 不明箇所,不明事項 1回

2 「どうぞ」 1回

解信の要求

1 受信局の呼出し名称 1回

2 「了解」 1回

3 「どうぞ」 1回

解信を要求する場合は,通話終了後5秒以上経過しても受信局が解信しないときに行う。

通話の終了

「以上」又は「終わり」 1回

出向,帰署,現場到着等連絡内容の定まつている通信を行つたときは,省略してよい。

緊急通信による中断通信再開

送信局

改めて通信の設定した後

「続けて送る」 1回

1 相手局が基地局の場合は,基地局の呼出しを待つて再開すること。

2 相互通信の場合は,送信局が再開呼出し局となる。

基地局が受信局のとき

同上

「続けて送れ」 1回

試験通信

通常の試験通信

1 「ただいま試験中」 1回

2 「こちらは」 1回

3 自局の呼出し名称 1回

4 「本日は晴天なり」 10秒以内

1 試験電波の発射中,他の無線局から中止の要求があつたときは,直ちに中止すること。

2 変調波を発射する場合に使用する用語は,「本日は晴天なり」以外を使用しないこと。

自局感明度を要求する場合

1 通信の設定

2 「ただいま試験中」 1回

3 「こちらは」 1回

4 自局の呼出し名称 1回

5 「本日は晴天なり」 1回

6 「(自局の呼出し名称)の感明いかが」 1回

通話感度及び明瞭度を表わす用語

メリット1 雑音の中に,かすかに通話らしきものが聞こえる程度

メリット2 雑音が多く,話しもゆがんで何回もくりかえして,話しが通じる程度

メリット3 雑音,ひずみは多少あるが,割合容易に通話ができる程度

メリット4 雑音は多少残るが,十分明快に通話ができる程度

メリット5 雑音が全くなく,非常に明快に通話ができる程度

3 火災,救急略符号

用語

略符号

符号

略語

死亡

4.0

ヨンマル

重態

9.0

キュウマル

行方不明者

3.40

サンヨンマル

要救助者

3.30

サンサンマル

精神病者

5.0

ゴウマル

南那須地区広域行政事務組合消防通信規程実施要綱

昭和62年3月12日 組合訓令第9号