○南那須地区広域行政事務組合管内の民間による患者等搬送事業に対する指導及び認定に関する要綱

平成20年6月1日

組合訓令第5号

南那須地区広域行政事務組合管内の民間による患者等搬送事業に対する指導及び認定に関する要綱(平成17年南那須地区広域行政事務組合訓令第5号)の全部を改正する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この要綱は,南那須地区広域行政事務組合消防本部管轄区域内における患者等搬送事業者に対し必要な指導を行うとともに,一定の基準に適合する搬送事業者の認定を行うことにより患者等の生命及び身体の安全を図ることを目的とする。

第2章 患者等搬送事業指導基準

第1節 共通事項

(事業実施の基本原則)

第2条 患者等搬送業務を行う者(以下「患者等搬送事業者」という。)は,健常者以外の者並びに車椅子又は寝台を必要とする身体障害者及び寝たきりの老人等(以下「患者等」という。)からの通報の適正処理及び患者等の搬送技能の向上に努めること。

2 患者等搬送事業者は,緊急性のない者を搬送対象とすること。

3 患者等搬送事業者は,事業の社会的責任を十分自覚し,関連法規を遵守すること。

(消防機関との連携)

第3条 患者等搬送事業者は,次の各号の一に該当する場合は,119番等により,患者等の居る場所,状態,既往症,掛かり付けの医療機関等を消防機関に通報し,救急自動車を要請すること。

(1) 患者等からの要請時点において,緊急に医療機関へ搬送が必要である場合。なお,この場合は,併せてストレッチャー及び車椅子等を固定できる患者等搬送用自動車(以下「患者等搬送用自動車」という。)に同乗し搬送業務に従事する者(以下「乗務員」という。)を派遣すること。

(2) 要請者の依頼場所に到着時点において,緊急に医療機関へ搬送する必要がある場合。

(3) 患者等の搬送途上において,緊急に医療機関に搬送する必要がある場合。

(定期講習)

第4条 患者等搬送事業者は,乗務員の応急手当技能を適切に管理するため,患者等搬送乗務員適任証(以下「適任証」という。)の交付を受けた乗務員に,2年に1回以上消防機関の行う別記第3に掲げる定期講習を受講させること。

(車両の外観)

第5条 患者等搬送用自動車は,サイレン又は赤色警告灯を装備するなど,救急自動車と紛らわしい外観を呈していないこと。

(消毒)

第6条 患者等搬送用自動車及び積載資器材の消毒は,次により行うこと。

(1) 定期消毒 毎月1回以上

(2) 使用後消毒 毎使用後

(3) 医師から消毒について特別な指示があつた場合は,指示に基づいた消毒を行うこと。

(4) (1)(3)による消毒をしたときは,その旨を別記第6に示す消毒実施記録表に記録し,患者等搬送用自動車内の見やすい場所に掲示しておくこと。

(衛生・安全管理)

第7条 患者等搬送用自動車及び積載資器材については,点検整備を確実に行い,清潔保持に努めること。

2 乗務員の服装は,患者等搬送業務にふさわしいものとし,清潔の保持に努めること。

3 患者等の搬送には患者等及び同乗者に対し安全ベルトを装着させるなど,安全搬送のための措置を講ずること。

(事業案内)

第8条 パンフレット等の事業案内には,救急隊と同レベルの活動ができるかのような表現はさけること。

第2節 個別事項

第1款 ストレッチャー及び車椅子等を固定できる自動車による患者等搬送事業

(乗務員の要件)

第9条 乗務員は満18歳以上の者で,次の各号のいずれかに該当する者をもつて充てること。

(1) 別記第1の1に掲げる消防機関が行う講習を修了し,適任証の交付を受けた者。

(2) 別記第2に掲げる前号の者と同等以上の知識及び技術を有する者として消防長が認め,適任証の交付を受けた者。

(患者等搬送乗務員適任証の交付)

第10条 消防長は,前条の(1)及び(2)の該当者に対して,別記様式第1号に定める適任証を交付する。

2 適任証の有効期間は,2年間とする。ただし,第4条で定める定期講習を受けた者についてはさらに2年間有効とし,それ以降も同様とする。

(適任証の携行)

第11条 乗務員は,搬送業務に従事するときは,適任証を携帯すること。

(運行体制)

第12条 患者等搬送事業者は,患者等搬送用自動車1台につき2名以上の乗務員をもつて業務を行わせること。ただし,退院等を目的とした運行をする場合,又は医師若しくは看護師等が同乗する場合は,乗務員を1名とすることができる。

(患者等搬送用自動車の要件)

第13条 患者等搬送用自動車は,次の各号に掲げる構造及び設備を有するものであること。

(1) 十分な緩衝装置を有すること。

(2) 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。

(3) 乗務員が業務を実施するために必要なスペースを有するものであること。

(4) ストレッチャー及び車椅子等を使用したまま確実に固定できる構造であること。

(5) 携帯が可能な通信機器等,連絡に必要な設備を有していること。

(積載資器材)

第14条 患者等搬送用自動車には,別記第4の1に掲げる資器材を積載すること。

第2款 車椅子のみを固定できる自動車による患者等搬送事業

(乗務員(車椅子専用)の要件)

第15条 車椅子のみを固定できる患者等搬送用自動車(以下「患者等搬送用自動車(車椅子専用)」という。)に同乗し搬送業務に従事する者(以下「乗務員(車椅子専用)」という。)は満18歳以上の者で,次の各号のいずれかに該当する者をもつて充てること。

(1) 別記第1の2に掲げる消防機関が行う講習を修了し,適任証の交付を受けた者。

(2) 別記第2に掲げる前号の者と同等以上の知識及び技術を有する者として消防長が認め,適任証の交付を受けた者。

(患者等搬送乗務員適任証(車椅子専用)の交付)

第16条 消防長は,前条の該当者に対して,別記様式第2号に定める患者等搬送乗務員適任証(車椅子専用)(以下「適任証(車椅子専用)」という。)を交付する。

2 適任証(車椅子専用)の有効期間は,2年間とする。ただし,第4条で定める定期講習を受けた者についてはさらに2年間有効とし,それ以降も同様とする。

(適任証(車椅子専用)の携行)

第17条 乗務員(車椅子専用)は,搬送業務に従事するときは,適任証(車椅子専用)を携帯すること。

(運行体制)

第18条 患者等搬送用自動車(車椅子専用)を用いて搬送を実施する事業(以下「患者等搬送事業(車椅子専用)」という。)を行う者(以下「患者等搬送事業者(車椅子専用)」という。)は,患者等搬送用自動車(車椅子専用)1台につき1名以上の乗務員(車椅子専用)をもつて業務を行わせること。ただし,搬送中に容態急変の可能性が高い場合等については,医師等を同乗させる,又は乗務員(車椅子専用)数を2名以上とする等,対応に必要な体制を確保すること。

(患者等搬送用自動車(車椅子専用)の要件)

第19条 患者等搬送用自動車(車椅子専用)は,次の各号に掲げる構造及び設備を有するものであること。

(1) 十分な緩衝装置を有すること。

(2) 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。

(3) 乗務員(車椅子専用)が業務を実施するために必要なスペースを有するものであること。

(4) 車椅子を使用したまま確実に固定できる構造であること。

(5) 車椅子の乗降を容易にするための装置を備えていること。

(6) 携帯が可能な通信機器等,連絡に必要な設備を有していること。

(積載資器材)

第20条 患者等搬送用自動車(車椅子専用)には,別記第4の2に掲げる資器材を積載すること。

第3章 患者等搬送事業認定基準

第1節 共通事項

(認定対象となる患者等搬送事業者)

第21条 認定対象となる患者等搬送事業者は,道路運送法に定める次の者とする。

(1) 一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けた者

(2) 一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けた者

(3) 特定旅客自動車運送事業の許可を受けた者

(4) 自家用有償旅客運送の登録を受けた者

(認定の申請)

第22条 認定を受けようとする患者等搬送事業者は,当該事業所を管轄する消防長に対し認定を申請するものとする。

(認定の審査)

第23条 消防長は,別記第5に示す認定審査基準表により審査を行うものとする。

(認定の有効期間)

第24条 認定の有効期間は,認定を受けた日の翌日から起算して5年とする。

(認定の更新)

第25条 認定審査基準に適合した患者等搬送事業者(以下「認定業者」という。)は,認定の有効期間の満了後も引き続き認定を受けようとするときは,消防長に更新を申請するものとする。

2 更新時の手続きは,認定時の手続きを準用するものとする。

(認定マークの亡失等)

第26条 認定業者は,認定マークを亡失し,又は滅失したときは,速やかに消防長に届け出て認定マークの再交付を受けることができるものとする。

(事業の休止等)

第27条 認定業者は,患者等搬送事業の全部若しくは一部を休止し,又は廃止したときは,消防長に届け出るものとする。

(認定の失効)

第28条 次の各号の一に該当するときは,認定はその効力を失うものとする。

(1) 道路運送法に定めるところにより,国土交通大臣の許可等が取り消され又は失効したとき。

(2) 患者等搬送事業を廃止したとき。

(3) 認定の有効期間が満了したとき。

(認定業者の責務)

第29条 認定業者は,指導基準を誠実に履行しなければならない。

2 認定業者は,患者等搬送業務実施中,搬送業務の遂行に支障を及ぼす重大な事故を発生させたときは,消防長に報告するものとする。

(認定事業者の調査)

第30条 消防長は,少なくとも年1回以上認定業者に対し,指導基準の履行状況について調査するものとする。

(認定の取り消し)

第31条 消防長は,次の各号の一に該当するときは,認定を取り消すことができる。

(1) 認定業者が指導基準を遵守しないとき。

(2) 業務の遂行にあたつて,重大な事故を発生させたとき。

(3) その他,認定を継続することが,不適当と判断されるとき。

第2節 個別事項

第1款 ストレッチャー及び車椅子等を固定できる自動車による患者等搬送事業

(認定マークの交付)

第32条 消防長は,認定審査基準に適合した患者等搬送事業者に対し,別図1に示す患者等搬送事業者認定マーク及び別図2に示す患者等搬送用自動車認定マークを交付するものとする。

2 消防長は,審査の結果,認定しない場合は,その理由を付して患者等搬送事業申請者に通知するものとする。

第2款 車椅子のみを固定できる自動車による患者等搬送事業

(認定マークの交付)

第33条 消防長は,認定審査基準に適合した患者等搬送事業者(車椅子専用)に対し,別図3に示す患者等搬送事業者認定マーク(車椅子専用)及び別図4に示す患者等搬送用自動車認定マーク(車椅子専用)を交付するものとする。

2 消防長は,審査の結果,認定しない場合は,その理由を付して患者等搬送事業申請者に通知するものとする。

(補則)

第34条 この要綱を実施するにあたり,必要な事項は別に定める。

附 則

この要綱は,公布の日から施行する。

別記第1 消防機関の行う講習

1 消防機関の行う講習[乗務員](第9条関係)

課目

時間数

総論

1

観察要領及び応急措置

(一定頻度者が受講する講習と同等の内容を含む)

13

体位管理要領

2

消防機関との連携要領

2

車両資器材の消毒及び感染防止要領

2

搬送法

2

修了考査

2

合計

24

※ 課目の1時間は,45分とする。

2 消防機関の行う講習[乗務員(車椅子専用)](第15条関係)

課目

時間数

総論

1

観察要領及び応急措置

(一定頻度者が受講する講習と同等の内容を含む)

9

体位管理要領

1

消防機関との連携要領

2

車両資器材の消毒及び感染防止要領

1

搬送法

1

修了考査

1

合計

16

※ 課目の1時間は,45分とする。

3 講師(第15条関係)

上記に掲げる講習の講師は,次のいずれかに該当する者とする。

(1) 救急隊長として3年以上の実務経験を有する者で,消防長が適任と認めた者

(2) 消防大学校の救急科課程の修了者で,消防長が適任と認めた者

(3) 消防学校の救急科課程の教官として2年以上の経験を有する者で,消防長が適任と認めた者

4 乗務員の修了考査実施基準(第15条関係)

修了考査は次の内容とし,80点以上を以つて合格とする。

区分

課目

配点

実技

観察要領及び応急措置

60点

筆記

消防機関との連携要領

20点

車両資器材の消毒及び感染防止要領

20点

 

合計

100点

別記第2 消防機関の行う適任者講習を修了した者と同等以上の知識及び技能を有する者は次表のとおりとする。(第9条,第15条関係)

 

分類

1

救急救命士の資格を有する者及び消防法施行規則第51条に定める救急業務に関する講習課程を修了した者。

2

日本赤十字社の行う応急処置に関する講習を受けた者で,資格の有効期間内の者。

ただし,消防機関の行う適任者講習に不足する課目については,消防機関の行う講習を受講すること。

3

上記1及び2に掲げる者以上の知識及び技能を有すると消防長が認めた者。

別記第3 定期講習(第4条関係)

1 定期講習は,次の表に掲げるものとする。

課目

時間数

観察要領及び応急措置

2

体位管理要領

1

合計

3

※ 課目の1時間は,45分とする。

2 講師

適任者講習と同じ。

別記第4 患者等搬送用自動車に積載する資器材

1 患者等搬送用自動車に積載する資器材(第14条関係)

項目

資器材名

呼吸管理用資器材

バックバルブマスク

ポケットマスク

保温・搬送用資器材

敷物

保温用毛布

担架

まくら

創傷等保護用資器材

三角巾

ガーゼ

包帯

タオル

ばんそうこう

消毒用資器材(車両・資器材用)

噴霧消毒器

各種消毒器

その他の資器材

はさみ

マスク

ピンセット

手袋

膿盆汚物入れ

体温計

※AED

「※」は任意の積載とする。

2 患者等搬送用自動車(車椅子専用)に積載する資器材(第20条関係)

項目

資器材名

呼吸管理用資器材

※バックバルブマスク

ポケットマスク

保温・搬送用資器材

※敷物

保温用毛布

担架

※まくら

創傷等保護用資器材

三角巾

ガーゼ

包帯

タオル

ばんそうこう

消毒用資器材(車両・資器材用)

噴霧消毒器

各種消毒器

その他の資器材

はさみ

マスク

※ピンセット

手袋

膿盆汚物入れ

体温計

※AED

「※」は任意の積載とする。

別図1(第32条関係)

患者等搬送事業者認定マーク

○ 地…緑色,文字…黒色,マーク…金色

○ 横23.7cm,縦36cm

別図2(第32条関係)

患者等搬送用自動車認定マーク

患者等搬送用自動車認定マークは,自動車後面であつて運転者の視野を妨げない見やすい位置に貼付するものとする。

○ 地…緑色,文字…黒色,マーク…金色

○ 直径…9cm

別図3(第33条関係)

患者等搬送事業者認定マーク

(車椅子専用)

○ 地…ピンク色,文字…黒色,マーク…金色

○ 横23.7cm,縦36cm

別図4(第33条関係)

患者等搬送用自動車認定マーク

(車椅子専用)

患者等搬送用自動車認定マーク(車椅子専用)は,自動車後面であつて運転者の視野を妨げない見やすい位置に貼付するものとする。

○ 地…ピンク色,文字…黒色,マーク…金色

○ 直径…9cm

南那須地区広域行政事務組合管内の民間による患者等搬送事業に対する指導及び認定に関する要綱

平成20年6月1日 組合訓令第5号

体系情報
第8編 消  防/第4章 業  務
沿革情報
平成20年6月1日 組合訓令第5号